もう迷わない！今日から始めるエシカルフード：食品ロスを減らす簡単ステップ
倫理的な食生活、「エシカルフード」に興味をお持ちいただき、ありがとうございます。地球にも人にも動物にも優しい選択をしたいけれど、「何から始めたら良いか分からない」「難しそう」と感じている方もいらっしゃるかもしれません。
エシカルフードには様々な側面がありますが、その中でも食品ロス（フードロス）を減らすことは、私たちが日々の生活の中で比較的簡単に始められる、そして大きな効果が期待できる大切な取り組みの一つです。
この記事では、食品ロス削減を通じてエシカルフードへの第一歩を踏み出すための、具体的なステップとヒントをご紹介します。
食品ロスとは何か？なぜ削減が大切なのでしょうか？
食品ロスとは、まだ食べられるのに捨てられてしまう食品のことです。家庭からの食品ロスには、食べ残しや、手つかずのまま傷んで捨てられてしまうものが含まれます。
日本では年間約523万トン（令和3年度推計値）もの食品ロスが発生しており、これは国民一人あたり毎日お茶碗約一杯分のご飯の量を捨てていることになります。
なぜ食品ロスを減らすことがエシカルなのでしょうか？
- 環境への負荷: 捨てられた食品を燃やす際に温室効果ガスが発生したり、埋め立てる場合には土壌や水を汚染する可能性があります。また、食品を生産、輸送、加工、販売する過程でも多くのエネルギーや水が使われています。ロスを減らすことは、これらの無駄をなくし、環境への負荷を軽減することにつながります。
- 資源の有効活用: 食品は地球の限られた資源を使って作られています。それを無駄にせず最後まで食べきることは、資源を大切に使うことです。
- 倫理的な側面: 世界には十分な食料が得られず飢えに苦しむ人々がいる一方で、日本では多くの食べ物が捨てられています。食品ロスを減らすことは、食料の公平な分配という観点からも重要です。
今日から始める！食品ロス削減の簡単ステップ
では、具体的にどのように食品ロスを減らしていけば良いのでしょうか。無理なく続けられる簡単なステップをご紹介します。
ステップ1：家の食材を「見える化」する
冷蔵庫や食品棚の中身を定期的にチェックし、何がどれくらいあるか、賞味期限・消費期限はいつかを確認しましょう。メモをとったり、スマホで写真を撮っておくのも良い方法です。奥にしまわれたまま忘れていた食材を見つけ出すことが、食品ロス削減の第一歩です。
ステップ2：計画的に買い物をする
「見える化」した在庫を把握した上で、必要なものだけをリストアップして買い物に行きましょう。空腹時に買い物に行くと、ついつい余計なものを買ってしまうことがあるので注意が必要です。週に数回行くよりも、週に一度まとめ買いをする方が、在庫管理がしやすくなる場合もあります。
ステップ3：食材を賢く保存する
食材の保存方法を工夫することで、鮮度を保ち、長く美味しく食べることができます。 * 野菜は種類によって適切な温度や湿度で保存する（新聞紙で包む、立てて保存するなど）。 * すぐに使わない肉や魚、パンなどは小分けにして冷凍する。 * 調理済みの料理は、粗熱をとってから冷蔵庫や冷凍庫へ。密閉容器に入れると日持ちしやすくなります。
ステップ4：使い切り・リメイクを実践する
余った食材を無駄なく使い切るレシピを積極的に試してみましょう。 * 野菜の切れ端はスープやカレーの出汁にする。 * しなびかけた野菜は炒め物や煮物に使う。 * ご飯が余ったらチャーハンやおじやにする。 * 残った料理を翌日アレンジして別の料理にする。
インターネットやレシピ本には、食品ロス削減のためのアイデアレシピがたくさん掲載されています。
ステップ5：賞味期限と消費期限を理解する
- 消費期限: 安全に食べられる期限。この期限を過ぎたものは食べない方が良いとされています（生ものなど傷みやすい食品に表示）。
- 賞味期限: 美味しく食べられる期限。この期限を過ぎてもすぐに食べられなくなるわけではありません。色や匂いなどを確認し、問題なければ食べられる場合が多いです（スナック菓子や缶詰など、比較的傷みにくい食品に表示）。
この二つの違いを理解し、賞味期限が過ぎたからといってすぐに捨てるのではなく、五感を使ってまだ食べられるか判断することも食品ロス削減につながります。ただし、無理は禁物です。
体験談：小さな工夫から生まれた変化
「食品ロスを減らそう！」と意識し始めたAさん（30代女性）は、最初は少し面倒に感じていたそうです。しかし、「まずは冷蔵庫の野菜室の在庫を毎週チェックする」という小さな習慣から始めてみました。
使わずに傷んでしまう野菜が減ったことを実感し、「次は買い物リストを作る」というステップに進みました。計画的に買い物をするようになったことで、無駄な買い物が減り、食費の節約にもつながったそうです。
さらに、余り野菜を使ったスープを定番にしたり、インターネットで使い切りレシピを調べたりするうちに、料理のレパートリーも増え、キッチンに立つのが楽しくなったと言います。「エシカルって難しいと思っていたけれど、身近な食品ロスから始めてみたら、生活全体が良い方向に変わったように感じます」と話してくださいました。
このように、最初から完璧を目指す必要はありません。まずは一つのステップから、ご自身のペースで始めてみることが大切です。
栄養や買い物に関するヒント
食品ロス削減は、栄養バランスを崩すものではありません。むしろ、計画的に食材を使うことで、様々な種類の食材を偏りなく消費することにつながり、結果的にバランスの良い食事に近づく可能性もあります。
買い物に関しては、規格外の野菜や果物、見切り品コーナーの商品などを積極的に活用することも、食品ロス削減に貢献できます。「もったいない」という気持ちを大切に、賢く買い物を楽しんでみましょう。
まとめ：あなたの一歩が、地球の未来につながる
食品ロスを減らす取り組みは、倫理的な食生活の入り口として非常に始めやすく、日々の暮らしに良い変化をもたらしてくれます。難しいルールはありません。冷蔵庫の整理、買い物リストの作成、食材の賢い保存、使い切りレシピ。どれも今日からすぐに試せることばかりです。
あなたの一歩が、無駄を減らし、資源を大切にし、地球にも人にも優しい未来へとつながっていきます。完璧でなくて大丈夫です。まずは、できそうなことから一つ、始めてみませんか。
このジャーニーを通じて、あなたのエシカルフードライフが豊かになることを願っています。