週に一度から始める、わたしのエシカルフード入門
エシカルフードジャーニーへようこそ
「エシカルな食生活」、耳にする機会が増えましたが、「なんだか難しそう」「ストイックな生活が必要なの?」と感じていませんか? いざ始めてみようと思っても、何から手をつければ良いか分からず、ためらってしまう方もいらっしゃるかもしれません。
このサイト「私のエシカルフードジャーニー」は、まさにそんな、倫理的な食生活に興味はあるけれど初心者だという方に向けて、無理なく始められるステップや役立つ情報をお届けすることを目指しています。
この記事では、エシカルフードとは何か、そして「週に一度」という小さなステップから始める具体的な方法についてご紹介します。完璧を目指す必要はありません。まずはできることから、一緒に一歩を踏み出してみましょう。
エシカルフードとは何か? 簡単な定義
「エシカル(Ethical)」とは、「倫理的な」「道徳的な」といった意味を持つ言葉です。食生活におけるエシカルとは、単に自分の健康だけを考えるのではなく、食べ物が私たちのもとに届くまでの過程で、地球環境、生産に携わる人々、そして動物たちに配慮する考え方を指します。
具体的には、
- 環境への配慮: 農薬の使用を減らす(オーガニック)、地域の食材を選ぶ(地産地消)、使い捨てを減らす、食品ロスをなくすなど。
- 人への配慮: 生産者が適正な賃金を受け取っているか(フェアトレード)、労働環境は適切かなど。
- 動物への配慮: 畜産動物が不当な扱いを受けていないかなど。
これら全てを一度に変えるのは大変ですから、まずは「少しだけ意識してみる」ことから始めていきましょう。
なぜ今、エシカルフードに注目が集まるのか?
近年の気候変動問題、食料の安定供給の懸念、そして食に関わる人々の労働環境への関心などから、自分の食事が社会や環境とどのようにつながっているのかに関心が集まっています。より良い未来のために、個人ができることの一つとして、エシカルな食生活への注目が高まっているのです。
無理なく始める最初の一歩:「週に一度」から試してみましょう
「明日から全部変える!」と意気込むと、挫折してしまうことも少なくありません。そこで提案したいのが、「週に一度」や「まずは一つだけ」というスモールスタートです。
ステップ1:まずは「知る」ことから
難しく考える前に、まずは自分が普段食べているものがどこから来て、どのように作られているのか、少しだけ関心を持ってみましょう。
- 普段買う野菜や果物の産地を見てみる
- よく飲むコーヒーやチョコレートが「フェアトレード」かどうかパッケージを見てみる
- 肉や魚がどのような環境で生産されているのか、少し調べてみる
ステップ2:「週に一度」エシカルな選択を取り入れてみる
例えば、こんなことから始めてみてはいかがでしょうか。
- 週に一度、「お肉なしの日」を作ってみる: 普段お肉を食べる習慣がある方も、週に一度だけ、野菜や豆類を中心とした食事(プラントベース)にしてみましょう。環境負荷の軽減につながると言われています。豆腐ハンバーグや豆カレーなど、美味しいプラントベースレシピはたくさんあります。
- 週に一度、地元の食材を使ってみる: 近くの農産物直売所に行ってみたり、スーパーで「地産地消」と書かれた商品を選んでみましょう。新鮮で美味しく、輸送にかかるエネルギーも抑えられます。
- 週に一度、パッケージを減らしてみる: 量り売りの店を利用したり、マイバッグやマイ容器を持参して買い物をしてみましょう。プラスチックごみの削減に繋がります。
- 週に一度、食品ロス削減を意識する日: 冷蔵庫の残り物で一品作ってみたり、使い切りレシピを試してみましょう。
ステップ3:いつもの買い物の「一つ」を変えてみる
「毎週月曜日はフェアトレードのコーヒーを買う日」「この調味料だけはオーガニックのものにしてみる」など、オーガニックやフェアトレード、MSC認証(持続可能な漁業)などの認証マークがついた商品を、意識して一つだけ選んでみるのも良い方法です。
- フェアトレード: 発展途上国の農産物や製品を、立場の弱い生産者と適正な条件で取引することで、生産者の生活向上や自立を支援する仕組みです。コーヒー、チョコレート、バナナなどがよく見られます。
- オーガニック: 有機栽培のことです。化学肥料や農薬に頼らず、自然の力を活かして作られた農産物を指します。環境負荷の軽減や生物多様性の保全につながります。
先輩ジャーニーからのメッセージ(架空の体験談)
ここで、私と同じように「週に一度」からエシカルフードを始めた、ある女性の体験談をご紹介します。
「最初は『本当にできるかな?』と半信半疑でした。でも、まずは『毎週水曜日はお肉を食べない日』と決めて、豆や豆腐のレシピを調べることから始めたんです。やってみると意外と難しくなく、美味しいプラントベース料理に出会うこともできました。慣れてきたら、次は『近所のスーパーで、地元の野菜を一つ選んで買う』というのをプラスしました。少しずつでも、自分の選択が環境や社会に良い影響を与えているのかな、と感じられるのが嬉しいです。完璧じゃなくても、できる範囲で続けることが大切なんだなと思っています。」
このように、小さな一歩から始めて、徐々にできることを増やしていくのが継続の秘訣です。
初心者さんが抱きがちな不安Q&A
Q: 栄養バランスが心配です。
週に一度など部分的に取り入れる分には、急激な栄養バランスの崩れはあまり心配ありません。例えばお肉を食べない日でも、豆類、豆腐、ナッツ、海藻などから必要なタンパク質やミネラルを摂ることができます。特定の食品群を完全に抜く場合(例:完全なヴィーガンなど)は、ビタミンB12などの特定の栄養素に注意が必要ですが、まずは「週に一度お肉なし」から始める分には、普段の食事全体でバランスを意識すれば大丈夫です。様々な食材を食べることを心がけましょう。
Q: エシカルな食材はどこで買えますか?表示の見方が分かりません。
最近では、普通のスーパーでもオーガニックコーナーがあったり、フェアトレードの商品が置かれていたりします。まずは普段利用するお店で探してみましょう。
- 表示をチェック: 「有機JASマーク」(オーガニック食品の日本の基準)、「フェアトレード認証ラベル」、「MSC認証」(持続可能な漁業で獲られた水産物)などのマークを探してみてください。
- 農産物直売所や自然食品店: 地元の新鮮な食材や、認証付きの商品が手に入りやすいです。
- オンラインショップ: エシカルな食材や商品を専門に扱うオンラインショップも増えています。
最初は難しく感じるかもしれませんが、いくつか意識して見ていくうちに、表示の見分け方が分かってくるはずです。
Q: エシカルな食材は値段が高いのでは?
確かに、認証付きの商品などは一般的な商品より価格が高い場合があります。しかし、食品ロスを減らす工夫をしたり、旬の地元の食材を選んだりすることは、必ずしもコスト増には繋がりません。また、週に一度から始める場合は、食費全体に与える影響は小さいでしょう。無理のない範囲で、価値を感じるものから選んでいくのが良いでしょう。
倫理的な食生活を続けるためのヒント
- 完璧を目指さない: 全てを一度に変えようとせず、できることから、一つずつ取り入れていく意識が大切です。
- 楽しむこと: 新しい食材やレシピに挑戦したり、生産地の背景を知ることで、食事がもっと豊かになります。
- 情報を集める: このサイトのように、エシカルフードに関する情報を得ることで、知識が深まり、モチベーションにも繋がります。
- 自分のペースで: 周囲と比較せず、自分のライフスタイルに合わせて無理なく続けられる方法を見つけましょう。
まとめ:まずは、あなたの一歩から
倫理的な食生活へのジャーニーは、決して難しいことばかりではありません。まずは「週に一度」という小さな一歩から始めてみませんか? お肉を一日減らしてみる、地元の野菜を一つ買ってみる、フェアトレードのコーヒーを選んでみる…。あなたの無理のない範囲で、最初の一歩を選んでみてください。
その小さな一歩が、あなた自身の食生活を豊かにするだけでなく、地球や社会にとって良い変化をもたらすきっかけになるはずです。
このジャーニーは始まったばかりです。一緒に、楽しみながら学び、実践していきましょう。